京都市交響楽団が2026年度の定期演奏会ラインナップを発表

・・・どうした?!
例年より半年近く早いんですけど?!
創立70周年効果でしょうか・・・

京響のウェブサイトには

創立70周年を迎える2026年度は「イズムに誘う(いざなう)」をテーマに掲げ、作曲家や作風、大作の真髄に迫り、京響ならではの多彩な音楽の魅力をお届けします。
常任指揮者・沖澤のどかは、リヒャルト・シュトラウスの壮麗な響き、ジャポニズムの美意識、アメリカン・スタイルの躍動、そしてストラヴィンスキーの革新性といった、様々な“イズム”に焦点を当てた4公演に登場。京響のために書かれた委嘱作品の再演や、女性作曲家の名作にも光を当て、時代や文化を超えた音楽の魅力をお届けします。
さらに、首席客演指揮者・デ・フリーントとは、シューベルト作品のさらなる探求を続け、より深みのある新たな解釈を追求してまいります。
年間を通じて展開される多彩なプログラムを通して、京響ならではの音楽の世界を存分にお楽しみください。
プログラムの一覧は、以下のリンクからご確認ください。
京都市交響楽団2026年度主催公演一覧表(PDF)

・・・とありました。
70周年の企画はいろいろあるのでしょうけど(50周年・60周年の時がそうでした)、定期公演の発表を早めたのもサービスの一環ですかね。
60周年での目玉の1つがマーラーの8番交響曲でしたね〜懐かしい

 

楽団長である松井市長も同席した記者会見のやりとりが『ぶらあぼ』で記事になっています。

沖澤のどかが京都市交響楽団・2026年度定期演奏会ラインナップ記者会見に登場【ぶらあぼWeb 2025年6月17日】

創立70周年にふさわしい豪華プログラムを早くも発表!

 京都市交響楽団は6月17日、2026年度定期演奏会ラインナップに関する記者発表を開催し、常任指揮者を務める沖澤のどか、楽団長の松井孝治(京都市長)らが登壇した。

〔左より:松井孝治(楽団長)、沖澤のどか(常任指揮者)、髙尾浩一(チーフプロデューサー) ©京都市交響楽団〕

 創立70周年、一つの大きな節目となる2026-27シーズンでは「イズムに誘う(いざなう)」がテーマに掲げられ、沖澤は4つの定期公演でタクトをとる。シーズンオープニングとなる4月・第710回は、「大事な場面でいつも取り上げてきた」と語るR.シュトラウスの「ドン・ファン」で華やかに幕開け。続いて、同年没後50年を迎える矢代秋雄のチェロ協奏曲を初演者でもある堤剛が独奏したのち、大曲「家庭交響曲」へとつなげる。

沖澤「今年の3月に京響と、同じくR.シュトラウスの大編成作品である『英雄の生涯』に取り組みましたが、当初想定していた以上に、オーケストラが飛躍する可能性を後押ししてくれる、と感じました。そういった経験もあり、この作曲家の楽曲は定期的に取り上げていきたいと考えています」

 7月の第713回定期では“ジャポニズム”をテーマとし、邦人作曲家による京都市委嘱作品2曲にラヴェル「鏡」より〈海原の小舟〉〈道化師の朝の歌〉(管弦楽版)、そしてドビュッシーの「海」を組み合わせた独創的なプログラムが目を引く。

沖澤「常任指揮者に就任したときに、まず京都市が委嘱した作品をリストアップしていただいて、一通りチェックしたのですが、中でも林光さんの『吹きぬける夏風の祭り』はそのお名前の通り“光って”聴こえたのです。以来いつか取り上げたいと思っていたので、“ジャポニズム”をテーマとしたプログラムの最初の作品として選びました。吉松隆さんのファゴット協奏曲『一角獣回路』ではウィーン・フィル首席のソフィー・デルヴォーさんがソリストを務めますが、彼女とはドイツの演奏会でも同じ作品でご一緒します。日本以外でも邦人作品を演奏したり、そこで『この人は!』と思った人を京都に連れてくるなどして、新たな風を吹き込ませることができれば」

 11月の第717回定期演奏会では、沖澤が同月指揮するボストン響公演でも共演する五嶋みどりが登場、ショスタコーヴィチの協奏曲第1番を披露。その前後を、バーンスタインの「キャンディード」序曲&フローレンス・プライスの交響曲第1番という、アメリカの作曲家の楽曲が彩る。

沖澤「みどりさんとはスペインで一度、ブラームスのコンチェルトで共演しました。鬼気迫るほどの集中力を持った、本当に特別な方だと思っています。アメリカの作品はこれまであまり取り上げてこなかったのですが、このタイミングで違うスタイルにも挑戦したいと考えプログラミングしました。プライスのシンフォニーはほとんど耳なじみがないかもしれませんが、選曲の背景には、今年9月に演奏するルイーズ・ファランクと同じく『女性作曲家の優れた作品を取り上げていきたい』という思いがあります」

 そして年明け、2027年1月の第718回では、先日沖澤がタクトをとった都響公演でも話題を呼んだプーランク「2台のピアノのための協奏曲」、そして十八番のストラヴィンスキーから「火の鳥」の1910年全曲版を演奏する。

沖澤「ソリストを務めるルーカス&アルトゥール・ユッセンのお二人は、一度ベルリンで『動物の謝肉祭』を演奏しているのを聴いたことがありますが、視覚的にも面白いぐらい本当に息がピッタリ! 弾けるような明るい音がするので、この曲はうってつけだと思います。『火の鳥』は、私がベルリン・フィルでアシスタントを務めていた頃にキリル・ペトレンコさんから大きな影響を受けた作品です。組曲はよく取り上げられますが、すべてを演奏することによって生まれるドラマというものが確実にあるので、今回全曲取り組むことには大きな意味があると考えています」

 首席客演指揮者のヤン・ヴィレム・デ・フリーントは、8月定期(第714回)に登場。十八番のシューベルト作品だけでなく、浜松国際での優勝以降飛躍を続ける鈴木愛美とベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番で共演するのも見逃せない。同楽団と縁の深い広上淳一は、27年2月定期(第719回)で、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(独奏:ニコライ・ルガンスキー)&ショスタコーヴィチの交響曲第15番という“ロシアン”プログラムを披露する。客演陣も、チェコの新星アレナ・フロンによるオール・ドヴォルザーク(26年6月・第712回)、フィンランドの名匠ピエタリ・インキネン(27年3月・第720回)渾身の北欧プロなど、各人の持ち味を最大限に生かしたプログラムが並ぶ。

 沖澤が指揮する公演に合わせ、前年の6月という楽団史上最も早いタイミングで発表された2026-27シーズンの定期ラインナップ。一部のプログラムは、京都コンサートホール以外でも演奏される予定だという。飛躍を続ける沖澤&京響の次なる挑戦を心待ちにしたい。


〔石田泰尚ソロコンサートマスターもお気に入りのブランド、「SOU・SOU」とコラボしたTシャツで気合バッチリ! ©京都市交響楽団〕

 

沖澤さんと共演するソリストが豪華な実力者揃いなのはよくわかりました。五嶋さんが1日しかないのは残念だけど、ショスタコーヴィチという選曲は彼女の持ち味に合ってそうなの、とてもいい。
あと前述の記事にある
「常任指揮者に就任したときに、まず京都市が委嘱した作品をリストアップしていただいて、一通りチェックした」
という目配りと努力は、とても素晴らしいです。加えて、定期公演で1年に3人の邦人作曲家(来年の矢代秋雄・林光・吉松隆)を採り上げた指揮者は京響史上でも2004年度の岩城宏之(石井眞木・黛敏郎・湯浅譲二)と1992年度の井上道義(伊福部昭・三善晃・伊東乾)まで遡らないと見当たらないわけで(調べるのに使った創立50周年記念誌の作成後には1度もなかったはず)、こうした意識付けは会員からもファンからも市民からも、もっと評価されるべき。

ウィーン・フィル首席ファゴット奏者、ソフィー・デルヴォー [https://sophiedervaux.com/]

ピアノ・デュオのユッセン兄弟 [https://arthurandlucasjussen.com/]
つべにある最近の演奏ではWDR交響楽団とのバルトーク:2台のピアノと打楽器のための協奏曲

他にも、11回の定期公演中2日間公演が実に9回も行われること(なのでデルヴォーさんのファゴットもユッセン兄弟のピアノデュオも2日間開催!!)も、とても大きい。本音は定期公演を全部2日間開催にしてくれることなんだけどね、でも大きな進歩。

上岡さんとインキネンは京響初登場じゃないかな?上岡さんがメインで振るブルックナーの6番は新日本フィルとのライヴ録音があるけど、非常に特殊な楽譜を使ってるので、恐いもの見たさみたいなのがあるかも(個人的にブルックナーで初稿にこだわるならともかく変なことはやってほしくないのだが)。今のところ公表された一覧には何も特記されてないけど、お願いだからフツーに原典版で演奏してほしい。
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インキネンの指揮回、ニールセンのアラジン組曲とシベリウスのレンミンカイネン組曲、物語のあるもの同士を組み合わせたのはさすがのセンス。『アラジン』の組曲は録音だと合唱を外すケースがほとんどなので、元の劇音楽と同様に合唱をつけた演奏を生で聴く機会はそうそうないでしょう。

京響初登場という指揮者では1992年生まれという沖澤さんより更に年下なチェコの女性指揮者アレナ・フロン(Alena Hron [https://alenahron.cz])もそう。オール・ドヴォルザークで締めに7番交響曲というのが実にすばら!
プロモーションみたいな動画見っけ↓なんで公演1日しかないねん・・・

録音は昨年リリースされたものが1つあって、ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915−1940:結婚直後の疎開先で粟粒結核により25歳で早逝)というチェコの女性作曲家の管弦楽作品全集。カプラーロヴァーという作曲家、マルティヌーに師事したり22歳の時にチェコ・フィル相手に自作自演するくらいなので、早くから才能は認められていたのでしょう。フロン指揮のディスクは幸いストリーミングで聴けるので、ぜひ一聴を。
https://ml.naxos.jp/album/555568-2

カプラーロヴァー:管弦楽作品全集 [Amazon]

 

あと、沖澤さんが2026年の「女性作曲家の優れた作品を採り上げていきたい」でチョイスしたフローレンス・ベアトリス・プライスの交響曲第1番は、ヤニック・ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア管弦楽団による演奏がドイツ・グラモフォンから出てます(交響曲第3番とのカップリング)。これは聴いてみてのお楽しみでいいですね。ストリーミングで聴けますが、フランスとはまた趣の異なるカラフルさは京響向き、実演で味わってみたいものです。
https://ml.naxos.jp/album/00028948619009

プライス:交響曲第1番、第3番(ネゼ=セガン&フィラデルフィア管)[Amazon]

 


 

◆第710回定期
2026年4月10日(金)19:00
2026年4月11日(土)14:30
指揮:沖澤のどか
◇リヒャルト・シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』 Op.20
◇矢代秋雄:チェロ協奏曲
〔Vc 堤 剛〕
◇リヒャルト・シュトラウス:家庭交響曲 Op.53

 

 

◆第711回定期
2026年5月15日(金)19:00
2026年5月16日(土)14:30
指揮:シルヴァン・カンブルラン
◇マーラー:交響曲 第6番 イ短調

 

 

◆第712回定期
2026年6月20日(土)14:30
指揮:アレナ・フロン
◇ドヴォルザーク:序曲『謝肉祭』Op.92,B.169
◇ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲 ト短調 Op.33,B.63
〔Pf 阪田知樹〕
◇ドヴォルザーク:交響曲 第7番 ニ短調 Op.70,B.141

 

 

◆第713回定期
2026年7月10日(金)19:00
2026年7月11日(土)14:30
指揮:沖澤のどか
◇林 光:吹きぬける夏風の祭り[※1985年度京都市委嘱作品]
◇吉松隆:ファゴット協奏曲『一角獣回路』[※1988年度京都市委嘱作品]
〔Fg ソフィー・デルヴォー(ウィーン・フィル首席ファゴット奏者)
◇ラヴェル:鏡〜「海原の小舟」「道化師の朝の歌」[管弦楽編曲]
◇ドビュッシー:交響詩『海』―管弦楽のための3つの交響的素描

 

 

◆第714回定期
2026年8月28日(金)19:00
2026年8月29日(土)14:30
指揮:ヤン=ウィレム・デ・フリーント
◇ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
〔Pf 鈴木愛美〕
◇シューベルト:6つのドイツ舞曲 D.820[管弦楽編曲:ウェーベルン]
◇シューベルト:交響曲 第7番 ロ短調 D.759『未完成』

 

 

◆第715回定期
2026年9月18日(金)19:00
2026年9月19日(土)14:30
指揮:リオ・クォクマン(廖國敏)
◇メンデルスゾーン:序曲『静かな海と楽しい航海』Op.27
◇モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218
〔Vn 神尾真由子〕
◇エルガー:管弦楽のための独創主題による変奏曲(エニグマ変奏曲)Op.36

 

 

◆第716回定期
2026年10月9日(金)19:00
2026年10月10日(土)14:30
指揮:上岡敏之
◇ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』〜「第1幕への前奏曲」「イゾルデの愛の死」
◇ブルックナー:交響曲 第6番 イ長調

 

 

◆第717回定期
2026年11月21日(土)14:30
指揮:沖澤のどか
◇バーンスタイン:『キャンディード』〜序曲
◇ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 Op.77
〔Vn 五嶋みどり〕
◇フローレンス・プライス:交響曲 第1番 ホ短調

 

 

◆第718回定期
2027年1月15日(金)19:00
2027年1月16日(土)14:30
指揮:沖澤のどか
◇プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調
〔Pf ルーカス・ユッセン&アルトゥール・ユッセン〕
◇ストラヴィンスキー:バレエ『火の鳥』[1910年版]

 

 

◆第719回定期
2027年2月19日(金)19:00
2027年2月20日(土)14:30
指揮:広上淳一
◇ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
〔Pf ニコライ・ルガンスキー〕
◇ショスタコーヴィチ:交響曲 第15番 イ長調 Op.141

 

 

◆第720回定期
2027年3月19日(金)19:00
2027年3月20日(土)14:30
指揮:ピエタリ・インキネン
◇シベリウス:交響詩『フィンランディア』Op.26
◇ニールセン:アラジン組曲 Op.34,FS 89
〔cho 京響コーラス〕
◇シベリウス:レンミンカイネン組曲 Op.22

 


 

[※以上、場所はすべて 京都コンサートホール・大ホール です]